[アップデート] S3 Intelligent-TieringでArchive階層が追加されました!

[アップデート] S3 Intelligent-TieringでArchive階層が追加されました!

Clock Icon2020.11.11

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S3 Intelligent-Tiering で新しい階層としてArchive Access階層Deep Archive Access階層が追加されて、さらにコストを最適化できるようになりました。

https://aws.amazon.com/jp/about-aws/whats-new/2020/11/amazon-s3-intelligent-tiering-adds-archive-access-tiers/

何が嬉しい?

S3 Intelligent-Tieringは、アクセスパターンに基づいてコスト効率の高いストレージ階層に自動で移動してくれる機能です。アクセス頻度を読めないときに設定することで、運用負荷を上げることなくコストを最適化できます。
これまで、高頻度アクセス階層と低頻度アクセス階層の 2 階層が用意されていました。
アップデートによって、Archive Access階層とDeep Archive Access階層の 2 つが追加され、さらにコストを最適化できるようになりました!

コスト(2020年11月11時点、東京リージョン)

S3 Intelligent-Tiering の各階層別の料金は以下の通りです。

ストレージ階層 1GBあたりの料金
高頻度アクセス階層 $0.025 *
低頻度アクセス階層 $0.019
Archive Access階層 $0.005
Deep Archive Access階層 $0.002

なお、通常のストレージクラスの料金は以下の通りです。Archive Access 層と Deep Archive Access 層はそれぞれ、S3 Glacier と S3 Glacier Deep Archive と同じ料金であることがわかります。

ストレージクラス 1GBあたりの料金
スタンダード $0.025 *
スタンダード IA $0.019
One Zone IA $0.0152
S3 Glacier $0.005
S3 Glacier Deep Archive $0.002

注意として、 S3 Intelligent-Tiering はオブジェクトの監視とストレージクラスの移動に対して料金がかかります。予めアクセスしない、基本的に取り出すことがないとわかっているオブジェクトに対しては、これまで通り Glacier をライフサイクル設定いただく方が、余計なコストはかかりません。

S3 Intelligent-Tiering Storage 料金
モニタリングおよびオートメーション オブジェクト 1,000 件あたり 0.0025USD

パフォーマンス

Archive Access 階層は S3 Glacier ストレージクラスと同じパフォーマンスで、Deep Archive Access 階層は Glacier Deep Archive と同じパフォーマンスです。

ストレージ階層 パフォーマンス相当
高頻度アクセス階層 スタンダードストレージクラス
低頻度アクセス階層 スタンダードストレージクラス
Archive Access階層 S3 Glacier ストレージクラス
Deep Archive Access階層 S3 Glacier Deep Archive ストレージクラス

仕様・留意事項

  • Archive Access 階層と Deep Archive Access 階層は片方または両方を設定可能
  • Archive Access 階層は 90〜730 日、Deep Archive Access 階層は 180〜730 日で移行までの日数を設定
    • 両方設定する場合、Deep Archive Access 階層の日数 > Archive Access 階層の日数とする
  • バケット、プレフィックス、オブジェクトタグ単位で設定可能
  • Intelligent-Tiering のオブジェクトはアクセスされると高頻度アクセス階層に移動
  • 128KB 未満のオブジェクトは高頻度アクセス階層に保存されます
  • Intelligent-Tiering は最低 30 日間の請求が行われます

やってみた

Archive Access 階層の設定をやってみます。
マネージメントコンソールから、S3 バケットの[プロパティ]タブをクリックします。Intelligent-Tiering Archive 設定で[設定を作成]をクリックします。

設定名を入力し、スコープを選択します。スコープでは、プレフィックスとオブジェクトタグを設定することができます。ここではスコープは設定しないまま進めます。

アーカイブ設定で、Archive Access 階層と Deep Archive Access 階層を両方設定します。ここでは、90 日で Archive Access 階層、180 日で Deep Archive Access 階層に移行されるように設定しています。

[作成]をクリックすると、設定できていることを確認できました。

さいごに

Archive Access 階層と Deep Archive Access 階層の設定をできるようになり、よりコストの最適化をできるようになりました。
Intelligent-Tiering は手軽に設定できますが、モニタリングやストレージクラスの移動にコストは発生します。基本的にアクセスが発生しないことがわかっているオブジェクトについては、従来のライフサイクル設定も検討いただくといいかと思います。

参考

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